私のコト~私のソープ嬢時代の赤裸々自叙伝~

私の自叙伝です。雄琴ソープ嬢だった過去をできるだけ赤裸々に書いてます。

2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

154

「なぁ、ゆきえ。クリスマスどないする?」 もう寝る時間。 お布団に入りながら子どもみたいな笑顔で聞いてくるコバくん。 「えぇ?!クリスマス…かぁ。そうだねぇ。」 私もお布団に入りながら答える。 その顔があまりにも無邪気で戸惑ってしまう。 もう12…

153

「…結婚してくれ。」 松ちゃんは小さな箱を私の前に突き出し、そっぽを向いたままそう呟いた。 …は…? 結婚? え…と… 結婚ってなんだっけ? こういうもんだっけ? 結婚って… え? なんだっけ? 「…結婚…ってこうやってするもんだっけ?」 思わず心の声が出て…

152

それからほんの数日後。 松ちゃんはすぐにお店にやってきた。 「ほんまに来たで。」 個室のベッドに腰かけながら、相変わらずそっぽを向いて吐き捨てる様にそう言った。 「ほんまにすぐ来たなぁ!びっくりしたわ!」 私は笑いながら明るく突っ込んだ。 「そ…

151

お風呂を入れ終え、私は松ちゃんの服を脱がそうとした。 「ちょ、ええわ!自分で脱げるわ!」 松ちゃんは私に服を脱がされるのを拒否した。 「えー?!脱がさなくていいんですかぁ?やったぁー!」 「子供やないんやから自分で脱げるわ!アホか!」 松ちゃん…

150

12月の半ばのある日。 私は悶々としたまま仕事をこなしていた。 ソープ嬢ってなんだろう? この仕事ってなんだろう? お客さんは何を求めているんだろう? プロってどういうことだろう? そんなことばかり考えていた。 「有里さん。有里さん。」 控室のス…

149

理奈さんとの歴然とした差を見せつけられた私は、それからしばらく悶々とした毎日をおくった。 コバくんに話してみたけどうまく伝わらない。 コバくんも一生懸命聞いてくれるけど結局「ゆきえはゆきえのままでええやんか。焦らんでもええって。」という返事…

148

控室から理奈さんと2人で出る。 「いってきまーす!」 「いってらっしゃーい。」 あきらさんと杏理さんが私たちに挨拶をする。 「じゃ有里ちゃん、私先に行くわ。」 店の正面入り口に続くカーテンの後ろに隠れながら理奈さんが私にそう言った。 「うん。わか…

147

「有里ちゃん。今日な、私のお客さんのお連れさんが有里ちゃんを指名してくるから。よろしく頼むわぁ。」 12月のある日、理奈さんが出勤したばかりの控室で私にそう言った。 「え?そうなんや。うん。こちらこそよろしくお願いします。」 私はぺこっと頭を下…

146

12月の頭。 ミーティングに出席するために私の休日である火曜日に店にきていた。 毎月だいたい火曜日にミーティングが行われているのでもう休日に店に来るのは慣れっこだ。 「おはようございまーす。」 「おう。有里。おはよう。」 「アリンコー。おはよー…

145

「え…?!え…?!」 身体を起こして開いたドアの方を見る。 ドンッドンッ! 知らない男の人が大きな足音を立てて控室に上がってきた。 「え?!…え…?!」 誰?! 身体が硬直して動かない。 控室には私1人だし、まだお店の開店時間には早すぎて誰も来ていな…

144

「実は…」 加奈さんが躊躇しながらも照れた表情で話し始める。 「うん?!どうした?」 私は加奈さんが何を言い出すのか少し緊張していた。 『スカウトの彼がまた優しくしてきてほだされた』とかの話しだったら勘弁してほしいと思っていた。 「あの…お客さん…

143

フロント横のカーテンを開け、富永さんに「あんな…」と切り出す。 デリケートな内容だ。 ちゃんと言葉を選んで、なんとか富永さんに協力してもらわなければ。 加奈さんが逃げ出そうとしていることは伏せて、でも本数はごまかして彼に伝えてもらえるようにし…

142

「加奈さんは子供がおるんですよね?男の子?女の子?」 控室で加奈さんと2人になった時、何気ない会話の流れで聞いてみた。 いつも笑っている彼女に暗いものを感じていたし、どんな経緯でここに来たのか気になっていたから。 「あ、そうなんですよぉ。男の…

141

コンビニに寄ってもらい、おつまみとお酒を買った。 「あー!これ美味しそうやない?」 「ほんまやー。これも食べたいです!」 「奈々ちゃんさっきまで枝豆食べてたやんか!まだ食べるん?!」 「だってー、怖がってたらお腹空いちゃったんですよぉ。えへへ…

140

理奈さんと奈々ちゃんが後ろの席で「怖いなぁー!」「なんかドキドキしますねぇ!」と言い合っている。 私は助手席に座りフロントガラスを凝視していた。 「ほんまにそんなことがあるんかのぉ。」 車を運転しながら富永さんがいぶかしげに呟く。 「きっと富…

139

奈々ちゃんがシャトークイーンに戻ってきて、またお店は5人態勢になっていた。 前は週末だけの勤務だった奈々ちゃんは「借金返さなきゃならないんで…」という理由で週5勤務になった。 元々岐阜県から週末だけ雄琴にやってきて、こっちに来た時はお店の控室…

138

「…お兄ちゃんだ。」 TELの向こうから聞こえてくる声は久々に聞く私の兄の声だった。 爆発しそうなほどバクバクと鳴っている鼓動。 手が震え、足がガクガクする。 「…なんで?なんで電話番号…」 震える声でなんとか言葉を発する。 それを遮るように兄が低い…

137

毎日が緊張と葛藤と反省で過ぎていく。 時に身悶えるほどの悔しさと悲しみを感じながら私の毎日が過ぎていっている。 理奈さんと富永さんは相変わらず優しく一緒にいると楽しい。 そしてこの2人の存在があるから私はやっていけてるんだと思う。 家に帰れば…

136

お客さんを帰し、「はぁー疲れたぁー」と独り言を言いながら控室の前に行くと何やら不穏な空気が流れていた。 私はなんかおかしいな…と思いながら控室のドアを開けた。 「上がりましたー」 そう言いながら控室に入ると乙葉さんが座椅子に座ったままカラダを…

135

あれからあきらさんは割とおとなしく仕事をしてた。 いや、おとなしいどころか理奈さんと私にかなり気を使うようになっていた。 「有里ちゃん。これ買うてきたんやけど食べる?」 「有里ちゃん、昨日このマンガ売ってたで。読んでな。」 「有里ちゃん、こな…

134

お客さんを無事に帰しフロントへ向かう。 …ふぅ… あきらさんと杏理さん、なんか富永さんに言ってきたかなぁ… なんとなく憂鬱な気分でフロント横のカーテンを開ける。 「おう。有里。おつかれさん。」 富永さんがいつもと変わらない様子で声をかけてくれた。 …

133

久々に来たふく田での時間は私をホッとさせた。 話しの内容はなかなか重いものだったけど、理奈さんのずっと変わらない自然な感じと富永さんの酔っぱらってきた時のいつも通りの口癖で私は自然に笑顔になっていた。 「なぁ有里!だからわしはな頑張らなあか…