私のコト~私のソープ嬢時代の赤裸々自叙伝~

私の自叙伝です。雄琴ソープ嬢だった過去をできるだけ赤裸々に書いてます。

2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

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「おまえなぁ…」 K氏は両手で私の頬を挟みながら怖い顔で私を見ている。 「は…はい…すいませぇん…」 私は涙と鼻水でぐちゃぐちゃになりながら謝罪を繰り返した。 殺るなら早く殺ってくれ! もう私に思い残すことはないし、このまま生きていたって辛いだけな…

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「それでしたら…小切手になさってはいかがでしょう?」 男性は少し首をかしげながら私にそう言った。 小切手… 小切手か… 「あぁ…小切手ですかぁ…うーん…」 700万円の現金をドンッとK氏の前に差し出し、そして謝罪をする。 そんなイメージが私の中にずっと…

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シャワーから出ると、私は下着と洋服を選んだ。 K氏に会うのはかなり久しぶりだ。 「綺麗になったな」と言わせたい自分がいる。 貴方の元にいたときより綺麗になったでしょ?と思わせたい自分がいる。 「いい女だ」とK氏に思ってもらいたいと切に感じている…

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夕方になり、私はコバくんとの『お疲れさま会』の準備を始めた。 いつも通り平和堂まで買い物に行き、献立を考え、キッチンに立つ。 料理をしている時が一番平安かもしれない。 今までのことも明日のこともこれからのことも考えずにいられるから。 料理をし…

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泣きながらタクシーを降り、涙を拭いながら部屋に入る。 「…ただいまぁ…」 コバくんがまだ寝ていると思って小さな声でドアを開けた。 シーン… 静まり返っている早朝のキッチン。 空気が動いていないリビング。 コバくんはまだ寝室で寝ているみたいだ。 まだ…

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ふく田の店長さんに何度もありがとうを伝え、店を後にした。 「有里ちゃん。辞めても店に来てな。待ってるから。応援してるからね。」 何度もそう言う店長さんに「うん。うん。また来るから。」と言った。 生きてたらまた来るね。と心の中で思いながら。 二…

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送別会の場所は私の大好きな『ふく田』だ。 富永さんが今日の為に、広い綺麗な個室を予約したと言っていた。 「有里ちゃーん!いらっしゃーい!あー相変わらず観音様みたいやなぁー。」 店長さんが優しい優しい笑顔で私を迎えてくれる。 相変わらずのセリフ…

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「お疲れさまでしたー!お掃除ごめんなさい!」 控室に挨拶をしながら入るとみんなが一斉にこっちを見た。 そしてにこにこ笑いながら「有里ちゃーん!お疲れさまー!」と言ってくれた。 「とうとう終わってしまったなぁー。」 「明日からも来てええんやで。…

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「有里みたいにこうやってきちんと辞めていく子ぉは初めてや。」 富永さんが私をチラッと見ながらしみじみ言う。 「そうなんや。へぇ…。そうなんやなぁ。」 みんなどうやって辞めていくんだろう。 急にいなくなってしまう子ばかりなのかな。 もしそうなら、…

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最終日の2人目のお客さんをお見送りした後、しばらくして富永さんが私を呼んだ。 「有里。ちょっと来てくれ。」 「え?なに?どうしたん?」 富永さんは私をお客さんの上がり部屋の前に連れて行き、こう言った。 「あの人が来てるんじゃ。あの…理奈のお客さ…

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仕事を辞めるまでの数日間、毎日お客さんが花やプレゼントを持って店に来てくれた。 その中の1人のお客さんはティファニーのブレスレットを私に渡しながら「ほんとは指輪を送りたかったんだけど…きっと有里ちゃんはそんなことをしたら引くと思ってこれにした…

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疲れた身体と心を引き締めて仕事に向かう。 あと何回この道を通るんだろう?と思いながら。 タクシーの窓から外を眺めると、見慣れた寂びれた道が続き、そしてその先にうっすらと琵琶湖が見える。 琵琶湖がすぐそばにあるのがいつの間にか当たり前になってい…

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2人とも無言のまま夜を過ごした。 私はベッドで眠り、コバくんはソファーで寝た。 その“ソファーで寝る”という選択をしたコバくんにちょっとだけ腹が立っていた。 朝が来て、隣の部屋でコバくんが起きた気配がする。 しばらくの間私は布団の中でどうしよう…

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私はコバくんにK氏とのやりとりの内容を話した。 K氏はずっと私の居場所を知っていたこと。 お店の場所までわかっていたこと。 私からの連絡をずっと待っていたこと。 綾子さんがしばらく私を探し続けていてくれたこと。 そして「戻ってこい」と何度も言われ…