私のコト~私のソープ嬢時代の赤裸々自叙伝~

私の自叙伝です。雄琴ソープ嬢だった過去をできるだけ赤裸々に書いてます。

2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧

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「…おっまえ…」 K氏の大きな声。 私はその声で身体がますます強張った。 そりゃそうだ。 怒るに決まってる。 急に逃げ出したんだから。 私が提案した企画で新しい部署を作り、結構な経費をかけ、私にも結構なお金をかけて育てようとしてくれていたんだから。…

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思った通り映画を観てもまったく入り込めない。 ずっと今夜のことや、どうやって殺されるんだろうか?ばかり考えていた。 食欲もなく、映画が終わってからコーヒーを飲み、もってきた本を開く。 文字を追っているだけで内容がまったくわからない。 たくさん…

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3月。 今月で終わる。 富永さんは「淋しいのぉ。ほんとに辞めるんかのぉ。」とよく口にするようになった。 富永さんが上田さんにも今月いっぱいで辞めることを言ったようで、「アリンコ。なんで辞めるんや?ほんまに辞めるんか?」と聞いてくるようになった…

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2月が飛ぶように過ぎた。 ちょっとだけ心配していた身体のことも拍子抜けするくらいなんともなく、私は仕事をこなした。 長い休みをとったにもかかわらず、指名数もなんとかこなして部屋持ちのままでいられた。 あれからおばあちゃん先生のところには診察に…

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夕飯を完璧に用意し、部屋を綺麗にし、お風呂を沸かしてコバくんを迎え入れた。 思った通りコバくんは大喜びで今にも泣きだしそうな顔をしていた。 「ゆきえ…俺、ほんまゆきえに会いたかってんで。帰ってきてもええって言うてくれてありがとう。」 コバくん…

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「はい。シャトークイーンです。」 電話の向こうから富永さんの接客用の声が聞こえる。 なんだか安心して涙が出てくる。 「お疲れさまです。有里です。」 私は10日ぶりに私のことを「有里です」と言った。 当然のように。 「おー!有里!どうや?明日から…

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朝7時。 コバくんからのTELが鳴る。 私はソファーでトロトロとしたまま電話に出た。 「もしもし?」 「もしもし?ゆきえ?」 「うん。」 「大丈夫か?ごめん。寝てたやろ?どうしても心配で電話してもうた。ほんまごめん。」 私はコバくんのこういうところ…

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若干ふらふらする足取りとボーっとする頭をなんとかごまかしながら電車を乗り継ぎ、やっとの思いで比叡山坂本駅に辿り着いた。 コバくんには回らない頭を駆使しながらこんなメールを送っておいた。 残業大変やなぁ。 私の体調は…まぁまぁかなぁ。 コバくんに…

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フ… 目がうっすらと開き、ぼやけた視界に病室の天井が映る。 「あっははは」と遠くからおばさんたちの笑い声が聞こえる。 え…と… ここは…どこだっけ… だんだんはっきりとしてくる視界。 無機質な風景が私の記憶をよびさます。 あぁ…そうか… 白いシーツのかか…

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「じゃこのままいくでー。」 おばあさんは淡々とした様子でひんやりとした器具を私の膣内に入れてギリギリと動かす。 痛い… 鈍い痛みがじわじわと私を侵す。 ギリギリと器具を動かしては出し、そしてまた挿れる。 だんだんと鈍い痛みが強くなる。 ギリギリギ…

176

コバくんが帰ってきてソファーに寝ている私を起こした。 「ゆきえ。大丈夫か?風邪か?」 「あぁ…おかえり…なんやわからんけど調子悪くてなぁ。寝てれば平気や。」 「ほんまか?お風呂でも入る?あったかくなったらよくなるかもしれん。」 コバくんが私の横…

175

病院に行った次の日の水曜日。 私はコバくんに心配をかけないように一生懸命元気にふるまった。 コバくんは「だいじょうぶか?」と何度も聞いてきていたけど、私は「平気やでー。」と笑って答えていた。 木曜日、出勤してすぐ富永さんに来週の月曜日から10…