⑰
おじさんの服を脱がせる。
丁寧に、優しく。
パンツに手がかかった時、おじさんは慌てた。
「おぉ、ここはええよ。自分でできるしな。はは。」
照れ笑いをしながら私の手を止めた。
「え?恥ずかしいですか?」
私は照れ笑いでも、笑ってくれたことが嬉しくて、ニコニコしながら聞いた。
私の方がよっぽど照れていたのに。
「いやぁ…。そやなぁ。」
おじさんはササッと自分のパンツを脱ぎ、そばに置いてあったタオルを股間にかけてベッドに腰をかけた。
「恥ずかしいですよね。私もめちゃくちゃ恥ずかしいです。あはは。」
おじさんからパンツを受け取り、丁寧に畳んで脱衣カゴに入れた。
脱衣カゴをハンガーラックの下にしまい、その場で自分の服を脱ぎ始める。
ゆっくりと、少しずつ。
私は詩織さんに習った通りにやってみた。
(ほんとに見てるのかなぁ。)
後ろを向いてるのでおじさんの視線がわからない。
チラッとおじさんの様子を盗み見る。
おぉっ!!
見てた!!
そこにはタバコを吸いながら、チラッとこっちに視線を向けていたおじさんの姿があった。
私が後ろをチラッと見たのがバレたのか、おじさんはすぐに視線を正面に向けてしまった。
(ほんとに見るんだ…。)
私は自分が女としての魅力が無いと思っているので、そのおじさんの行為が不思議でならなかったのだ。
先にお風呂場に入る。
スケベ椅子にタオルをかけ、シャワーを出す。
温度を確認して椅子の上を温かいお湯で湿らす。
座った時に椅子が冷たくないようにする配慮だ。
「どうぞー。」
私は洗い場から声をかける。
「はい。」
おじさんは小さな声で返事をした。
「えっと…。このタオルどうしたらいい?」
おじさんは洗い場の入口でタオルを持ちながらウロウロしていた。
さっき股間にかけていたタオル。
なんだかその姿が滑稽でかわいかった。
「あはは。すいません!じゃ、ベッドの上に置いておいてください。」
「あぁ…。うん…。」
おじさんはそそくさとタオルをベッドに置き、ゆっくりと浴室に入ってきた。
「こちらどうぞ。」
スケベ椅子に促す。
「よいしょっと。」
おじさんは「やれやれ」な感じで椅子に座った。
椅子に座るおじさんの目の前に正座で座る私。
おちんちんが目の前だ。
おじさんのおちんちんはまだ下を向いていた。
「失礼します。」
私はシャワーをおじさんにかける。
足、お腹、腕…
肩から背中にかける時、私は膝立ちになりおじさんに抱き着いた。
おっぱいがかすかにおじさんに触れる。
ほっぺが近い。
その時。
おじさんが私のお尻を撫で始めた。
おお!
なんだかびっくりしてしまった。
その後、おじさんは私のカラダを撫でまわし、そしてギュッと抱きしめた。
さっきまで「やれやれどっこいしょ。」だったおじさんの急変に私は戸惑った。
顔をおじさんの方に向ける。
するとおじさんは低い静かな声でこう言った。
「キスしてもええか?」
え?
一瞬何を言われてるのかわからなかった。
「え?キス?」
思わず聞き返す私。
「おう。あかんか?」
静かに聞くおじさんを私はなんだか愛しく感じてしまった。
「いいですよ!」
私が答えるとおじさんはギューっと抱きしめながら激しいキスをした。
おっぱいを揉まれ、おしり触られながらの激しいキス。
私の太ももには、いつの間にか上を向いていたおじさんのおちんちんが触れていた。
はぁ、はぁ、と言いながらおじさんは私を離した。
私は今の出来事に動揺していることを悟られないように明るく言う。
「じゃ、カラダ洗いますねぇー!」
「うん…。」
おじさんは何事もなかったかのようにおとなしくカラダを洗わせてくれた。
(びっくりした!急に変わるんだもん!でも…ちゃんと興奮してくれてるんだ。なんかよかったなぁ…。)
私はおじさんとのキスも、お尻を触られるのも、おっぱいを触られるのも、全く嫌じゃない自分に驚いていた。
むしろ興奮してくれて嬉しい!とまで思っていた。
「お風呂どうぞ。」
おじさんをお風呂に促した。
なんとか記憶を呼び起こし、潜望鏡をすることができた。
でも、おじさんは全くの無感動だった。
「これはもういいや。」
そう言って潜望鏡を終えた。
またもや暗いおじさんに戻っていた。
なんで?!
さっきあんなに興奮してたじゃん!!
私はさっきのおじさんを取り戻したくなっていた。
「マットお好きですか?」
お風呂の中で聞いてみた。
「うーん…。まぁなぁ。気持ちええけどなぁ…。」
曖昧な返事。
「私まだ全然ぎこちなくて…。あんまり気持ちよくないかもですけど…。
でも頑張りますから!!」
笑いながら言ってみた。
おじさんの反応は?
「おう。そうか。よろしく頼むわ。気ぃつけや。落ちないようになぁ。」
優しい言葉。
でも低く、暗い。
ここはマットで克服だ。
頑張ろう!!
マットの用意をぎこちない手つきとカラダつきで終え、コンドームを見えないようにササッとセット。
いざ!!
「こちらへどうぞ♡」
おじさんがバサーンとマットにうつぶせに倒れこむ。
詩織さんの教えてくれたことを思い出しながら、脳裏に焼き付けた詩織さんの動きをなんとか脳内の引き出しから引っ張り出しながら、マットを必死にやる私。
足の置き所。手の位置。
カラダが重くのしかかり過ぎてないか?
スピードはこれでいいのか?
お客さんは寒くないか?
口で吸いつく力は強すぎないか?
もう気にするところが多すぎて、何がなんだかわからなくなっていた。
手はプルプルするし、足はガクガクしてくるし、顔じゅうがローションだらけだし。
どうなんだろう?
これ、気持ちいいのかな?
これ、合ってるのかな?
自分がやってることがどうにもシックリこない。
初めてなんだから当たり前の事だ。
シックリこないまま、不安なまま、私はただただ必死にマットの上を動き続けた。
うつ伏せが終わり、仰向けになってもらう。
「右手こっちにくださーい。」
私はおじさんに言った。
「ん?何?右手を?ん?」
ソープに通いなれているおじさんだと思っていたので、仰向けになる方法を当然知っていると思っていた。
あれ?もしかして…知らないの?
「あ、ここに右手を通して…こっちにください。」
「え?こう?なに?」
戸惑ってるおじさんの上にまたがり、私は右手をクイと引いた。
クルン!
「おおーー!!そうかー!有里ちゃんやるやんか。」
綺麗に仰向けになったおじさんがちょっと感動していた。
「へへ。上手くいってよかったです。」
私はうまくいった喜びと、おじさんがちょっと感動してくれたことに嬉しくなった。
仰向け。
丁寧に進める。
なんとかプルプルの手で耐え、ガクガクの足でやり続ける。
ここも丁寧に。
おじさんの顔を見ると、目をつぶって気持ちよさそうにしていた。
(あぁ…。よかったぁ…。)
目をつぶっているのを確かめ、私は右手をマットの下に忍ばせた。
コンドームを取り出し、おちんちんを口にくわえたまま、
コンドームの袋をやぶ…
破ろうと…
…や…
…破れません!!!!
手がローションまみれでツルツルです!
どこを持っても破れません!!
ど…どうしよう…
おちんちんをくわえたままアタフタする私。
マニュアル通りしか知らない私。
おじさんに気付かれたくない!!
お願い!
気付かないで!!
どうする?小娘有里!
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