私のコト~私のソープ嬢時代の赤裸々自叙伝~

私の自叙伝です。雄琴ソープ嬢だった過去をできるだけ赤裸々に書いてます。

コラム~有里ちゃんこぼれ話②~

 

有里ちゃんこぼれ話第二話です。

前回の『剃毛問題』よりこちらのお話しを待っている方の方が多いようでしたね。笑

 

今日のお話しは

 

『有里ちゃん専用電話を持った富永さんは結局有里ちゃんを抱けたのか?』

 

です!

 

こちらは引き続き女優のMさんからの質問です。

 

うひひ。

気になります?

 

ではまいりましょう。

 

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コバくんと一緒に比叡山坂本をあとにして、阪急塚口での生活が始まった小娘ゆっきぃ。

新しく職に就くまで半月ほどブラブラとしておりました。

そんな時「そういえば、富永さんが私専用電話を持ったんだよなぁ…」と思い出す。

シャトークイーンを辞める時、頂いた餞別の金額が思っていたよりも大きかったこともあり、お礼も伝えたい。(社長からは8万円。シャトークイーンからは5万円という金額でした。)

そして、まぁこっちでの生活が始まったと報告でもしておくか、という思いもあり連絡をします。

あくまでもただのお礼と報告。

富永さんの言っていたような『援助交際』なんてするつもりなんてありません。

でも、どこかで「富永さんのSEXってどんなんだろう?」という興味があったのは確か。

 

さて、どうなるか。

 

 

 

呼び出し音を聞きながら、富永さんの懐かしい声を思い出して「ふふ」と笑う。

どんな電話の出方をするだろう?

 

「もしもし?有里か?」

 

小声の富永さん。

 

「もしもし?富永さん?有里だよ。今大丈夫?」

 

こっちまで小声になる。

 

「おぉ…元気か?電話くれたんやなぁ。ありがとう。」

 

喜んでいるのが声でわかる。

シャトークイーンを辞めてからまだ少ししか経っていないのに懐かしく感じる。

 

「うん。あれからな、阪急塚口に部屋を借りて住んでんねん。」

 

「おぉ。そうかぁ。で、今は何をやってるんや?」

 

「まだなんもしてへん。バーテンダーになろうと思ってな。今自分が働きたい!と思うとこを探してんねん。」

 

「おーそうかぁ。有里は酒が好きやからなぁ。向いてる思うで。」

 

「そう?ありがとう。そういえば、餞別ありがとうな。あんなにもらってしまって…ほんまに申し訳ないわ。でも…助かるわ。」

 

「何をいうてるんや。あれでも少ないほうやな。あんなことしかしてやれんでほんまに申し訳ないと思うとる。」

 

「ううん。ありがとう。あ、あの木の小箱。開けたで。嬉しかったで。あれ、ずっと大事に持っとくわ。」

 

「あぁ…あれな。…そうか。それならよかった。」

 

「うん。…それだけ。それだけ伝えたくて連絡したんや。元気やで。富永さんも元気そうやな。」

 

「おう…。そうか。それだけか。」

 

「うん。」

 

「……」

 

黙り込む富永さん。

私はその沈黙の意味することがわかる。

でもその沈黙がいたたまれなくて口を開く。

 

「…じゃ。また電話するわ。またね!」

 

極力明るく言う私。

 

「…有里!あのぉー…一緒に酒飲もうや。のぉ?」

 

富永さんが私を飲みに誘う。

 

「え…?あー…」

 

まぁ一緒に酒を飲むくらいいだろう。

別にそれだけのことだし。

 

「…うん。いいよ。」

 

「そうか。まぁただ飲むだけや。それならええやろ?のぉ?」

 

「うん。いいよ。わかった。」

 

 

私と富永さんはそんな会話をして、飲みに行く日程と場所を決めた。

 

それから数日後。

富永さんと私は大阪の十三(じゅうそう)という街で待ち合わせをして飲みに行く。

富永さんはお店の休みごとに競艇に出かけ、その帰りに十三や新世界(大阪通天閣の近く)に飲みに行っているらしく、大阪に詳しかった。

 

十三はとても私好みの街で、一杯飲み屋がたくさんある。

その中のひとつのお店、青いのれんの古びた飲み屋に2人で入った。

 

「有里。今日はありがとうな。こうやって会えるだけで嬉しいんやで。のぉ?」

 

細い目をますます細くして嬉しそうに言う富永さん。

相変わらず可愛い。

でっぷりと出たお腹を時折さすりながら話す姿も可愛らしい。

 

「それでな、わしはこう言ったんじゃ。それでな…」

 

富永さんはお酒が入ると饒舌になる。

そして何度も同じ話をする。

 

「ん?これは前にも話したかのぉ?」

 

そして首をかしげてこうやって私に時々確認する。

 

「あははは。話したけどもう一度話してよ。」

 

私は笑いながら富永さんの肩をポンと叩き、「もっと話せ」と促す。

そして時折「でも、それは富永さんが悪いやろぉー。だってな…」と自分の意見を言う。

その私の意見を聞いて富永さんは「うーん…そうかぁ…わしにはわからんのぉ。」としょぼんとしたりする。

 

笑ったり、しょぼんとしたり、させたり、また長い話しを聞いたり、富永さんの「わしは頑張るでぇ!」のいつものセリフを聞いたりしながら時が過ぎた。

 

こうやってたまに飲みにいくのもいいなぁと思っていた時、富永さんが私にこう言った。

 

「で…有里。あれは…考えてくれたんかのぉ?」

 

酔っぱらった細い目で私に聞く冨永さん。

 

「え?あれ?…うーん…」

 

正直考えてなかった。

どうするかなんて考えていなかった。

その時に考えようと思っていたから。

 

「わしは援助交際でええんや。有里は若いからのぉ。有里とこの先どうこうしようとなんて思わん。そんな贅沢なことは思わんよ。でものぉ。わしは有里を抱きたいんや。わしもそろそろ男として機能しなくなってきてるんじゃ。だからのぉ、有里を抱きたい思うてるんや。どうやろぉ?」

 

富永さんの言葉がなんだか切なかった。

そしてその時、酔っぱらった私の頭の中に富永さんの毎日がフッと浮かんだ。

 

仕事を夜遅くまでして、帰りに福田で飲む。

自分の部屋に帰ったら大好きな落語を聞いて「わははは」と笑いながら眠る。

そして次の日も次の日もそれを繰り返し、そして週に一度の休みの日に競艇か競輪か競馬に出かけ、夜はどこかで飲み、どこかのサウナかビジネスホテルに泊まり、次の日の朝には仕事に間に合うように帰る。

それの繰り返し。

それを分かち合う“誰か”いなければ、“友達”も“家族”もいない。

そして60歳も目の前だ。

 

「わしはこうやって死んでいくんやと思うたら、ものすごく淋しくなる時があるんじゃ。まぁ…自業自得なんやけどな。」

 

富永さんが焼酎の水割りを飲みながら呟く。

 

私はそんな富永さんをとても切なく感じて、こう返事をしていた。

 

「…ええよ。援助交際してもええよ。富永さんがそれでいいなら。」

 

私のその言葉を聞いた富永さんは「ほんとか?!」と驚いて、そして嬉しそうに笑った。

そしていつも持ち歩いているセカンドバックから白い封筒を取り出し、私に差し出した。

 

「これ、用意しておいたんじゃ。有里に断られるかもしれんと思いながらも用意しておいたんじゃ。受け取ってくれ。」

 

私はその白い封筒を手に取り、「いくら入れたん?」と聞き返した。

富永さんは「確認してくれ」といい、私は封筒の中身を見た。

 

封筒の中には5万円が入っていた。

 

「え…?これ、多くない?」

 

富永さんの給料がいくらかは知らない。

でも5万円は多い様な気がした。

 

「店に行くにはこれくらいかかるやろが。それにそうやって一緒に酒まで飲んでくれるんやからのぉ。安いくらいじゃのぉ。それでええか?」

 

富永さんから5万円を受け取るのがなんだか心苦しい。

でもこのお金を介さないでSEXをしたらなんだか変な感じがする。

 

「…うーん…」

 

ほんのちょっと前までソープ嬢をやっていたのに、この『援助交際』という言葉に強い抵抗を感じる。

これでいいのか?

 

「わしがこのお金は受け取ってもらいたいんじゃ。そうやなかったら有里を抱けんやろ?のぉ。」

 

悩んでいる私の背中をスッと押す富永さん。

 

「う…ん…」

 

「わしは有里と過ごしたいんじゃ。頼むわ。」

 

富永さんの言葉にもう一度「うん。」と返事をした私は、数十分後にはラブホテルにいた。

 

富永さんは大興奮で私を愛でた。

体中を興奮しながら撫で、何度も何度も「可愛いのぉ」や「有里は綺麗やのぉ」や「わしは有里が大好きなんじゃ」と言った。

 

私は富永さんの大興奮に若干引いていたのだけれど、それでも一生懸命な富永さんをちょっとだけ愛しいと思っていた。

 

富永さんのおちんちんはあまり勃たなかった。

それでもなんとか勃たせようと2人でがんばり、ほんの少しの間だけ挿入することに成功した。

 

息をはぁはぁと切らして、一心不乱に私を抱く富永さん。

私はそんな富永さんの姿をみながら「こんな私になんで?」と暗く冷静になっていく自分を見る。

 

結局射精にまで行きつくことができなかった富永さんは、汗だくになってベッドに倒れこんだ。

 

「はぁはぁはぁ…。あかんのぉ。わしはあかんのぉ。悪いのぉ。有里をどうしたら気持ち良くさせられるのかわからんのぉ…」

 

天井を見上げながら富永さんはそう言った。

私はその言葉を聞いて「…ちょっと…ウザい…」と思っていた。

 

富永さんの愛撫はまるで気持ちよくなく、そして一生懸命すぎて痛かった。

カラダが痛かったんじゃなくて心が痛かったんだけど。

 

私は「…じゃあ…シャワー浴びて帰るね。」と言って起き上がった。

なんだか富永さんと一晩過ごしたくないと思ったから。

 

「帰るのか?そうかぁ。また会えるかのぉ?」

 

富永さんのことは好きだ。

一緒に酒を飲んで話すのは好き。

この人のことは好きだし、愛すべき人だと思う。

だから私はこう答えた。

 

「うん。また会おうな。一緒に飲もう。」

 

「うん。うん。そうやな。…わしはまた援助交際をお願いしたいけど…それはどうなんじゃ?」

 

富永さんはお店での顔とまるで違う顔で私に懇願している。

すがるような目をしている。

私はその富永さんの顔を見てガッカリしていた。

でもそれと同時に『同情』のような感情が湧き、スッと立ち上がってこう言った。

 

「ええよ。富永さんがそうしたいなら。」

 

 

私は身支度を整え「またね。」と言い、ラブホテルを後にした。

白い封筒をカバンに入れて。

 

富永さんが“シャトークイーンの店長”じゃなくなった日だった。

 

「ふぅー…」

 

タクシーの後部座席で溜息をつく私。

ガッカリしていた。

そして切ない気持ちでいっぱいだった。

 

あのままの富永さんでいてほしかったなぁ。

私の知っている富永さんのままでいてほしかったなぁ。

 

なんだかいたたまれない気持ちでタクシーの窓から景色を見ていた。

 

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この後私は富永さんと3回ほど飲みに行き、その度に『援助交際』をします。

でも切なさと虚しさに耐えられなくなり、お断りをして結局私の電話番号も変えてしまうという行動にでました。

富永さんは「私のカラダが忘れられない」と言いながら、最後まで私にお願いをしていました。

もうね、それ自体が切なくてね。

 

今富永さんがどこでどうしているのか、私は知りません。

でもとてもお世話になったし、今でも思い出すと「ふふ」と笑ってしまう思い出の方が多い。

 

淋しかったんだろうな。

私もその時淋しかったし、それが痛いほどわかってしまったんだろうと思います。

 

 

てことで!

 

『富永さんは有里ちゃんを抱くことができた!』

 

でしたー!

 

どう?

どう思った?

 

 

そうそう。

こんな物が出てきたから載せちゃおう。

こういうの載せるとリアルに感じませんか?笑

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私の記憶では『帰ってから開けて♡』だったのですが、『♡』なんてついてなかったことに驚いております。笑

記憶って曖昧なのね。

 

 

また書きますね。

質問もよかったらどうぞ。

 

 

 

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はじめに。 - 私のコト