私のコト~私のソープ嬢時代の赤裸々自叙伝~

私の自叙伝です。雄琴ソープ嬢だった過去をできるだけ赤裸々に書いてます。

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「あのぉ、お名前ってなんていうんですか?なんてお呼びしたらいいですかね?」

 

私はフルフルと震える手で水割りのコップを持ち上げているおじさんに訪ねた。

 

「お呼びしたらって?んはは。なんや丁寧すぎるのぉ。名前か?名前はええやろー。」

 

おじさんは笑いながらはぐらかした。

 

名前を明かしたくないと思っているお客さんは多い。

偽名を使って予約してくるお客さんも割と多い。

私はその事実を知った時「は?なんで?」と思った。

偽名使うくらいならくんなよと多少バカにしている。

そして個室でくらい本名で過ごせや!と思っていた。

 

 

名前くらい教えろよ…

 

私はおじさんがはぐらかしたことでイラッとした。

まだまだたっぷり二人ですごさなきゃいけないんだから名前くらい教えろや!と心の中で悪態をついていた。

 

ま、私も源氏名なんですけどね。

 

「じゃー中島さんって呼んでいいですか?」

 

私はおじさんの外見が『中島らも』に似ていたので勝手にそう決めた。

 

「ん?中島?なんでやねん。まぁええけどな。」

 

おじさんは『中島』に決定。

 

中島さんとの会話はなかなかかみ合わなかった。

盛り上がることがない。

ただただ私の質問に「ああ。」とか「うん。そうやな。」とか「まぁなぁ。」とかニヤニヤとそんな感じで答えるだけだった。

 

私がこの時間を苦痛に感じているのはこれが原因だ。

 

なぜこんなにつまらなそうなのに切り返しにしたのかわからなかった。

ましてやまだ私のカラダに触れようともしない。

 

なに?!この時間?!

 

私は中島さんがなんのためにここに私と一緒にいるのかがまるでわからず、なんともいえないモヤモヤとした気持ちになっていた。

 

「有里…?やな?有里でええんやんな?そろそろお風呂入ろうか。」

 

いまだ私の名前が曖昧な中島さんがお風呂に入ろうと言い出した。

 

「え?はい!あー…もうお風呂冷めちゃってると思うんで熱いお湯足してきますね。」

 

お風呂のお湯を溜めたのはもうだいぶ前だ。

 

「うん。」

 

中島さんは水割りを舐めながら小さく頷いた。

 

私はお湯加減を確かめてから中島さんのところに戻り、ゆっくりと服を脱がしはじめた。

 

「お?脱がせてくれるんか?」

 

中島さんの年齢は多分50代後半くらいだと思う。

そのおじさんが22歳の小娘に「ばんざーい」と言われて嬉しそうにばんざいをしてTシャツを脱がされている。

 

「はい。立ってくださーい。」

 

私はズボンとパンツを脱がすために中島さんにそう言った。

 

「ん?うん。立つん?はーい。」

 

まるで子供だ。

 

私は「はい、こっちの足あげてー」とまるでお母さんのように中島さんに指示をした。

 

「ん?こっち?うん。」

 

中島さんは私の言いなりだった。

 

「じゃちょっと座って待っててください。」

 

私は中島さんをベッドに座らせて、股間にふわっとタオルをかけた。

 

「うん。」

 

中島さんは小さな声でつぶやくように返事をして、素直に腰かけた。

個室の端っこでいそいそと自分の服を脱ぐ。

なんとなくセクシーに服を脱ぐことを中島さんが望んでないような気がして

ババっと服を脱いで、いそいそとお風呂場に向かった。

 

「はーい。こちらへどうぞー。」

 

私はスケベ椅子の前で中島さんを呼んだ。

 

「ん?もうええんか?」

 

フラフラとした足取りで中島さんがお風呂場にやってきて、ちょこんとスケベ椅子に座った。

 

「じゃ、洗いますねー。」

 

私は中島さんの股間をチラッと見る。

 

う…やっぱり勃ってない…

 

中島さんは勃起していなかった。

 

これ…大丈夫なのかな…

 

中島さんは私を女としてみているのだろうか?

 

充分に泡立てたボディソープをカラダ全身に丁寧に撫でつけ、中島さんのカラダに私のカラダを密着させる。

胸で八の字を描きながら中島さんの上半身を泡だらけにする。

手を私のおっぱいにあてがいながら中島さんの腕をスポンジで丁寧に洗う。

背中を洗うために膝立ちになって抱き着く。

 

チラ。

 

私はそのつど中島さんの股間に目をやった。

 

…まだ勃ってない…

 

私が背中を洗うために抱き着くと、中島さんは両手をピーンと広げた。

まるで子供が「洗ってー」と言っているような姿だった。

 

「気持ちええなぁ…」

 

中島さんはほんとに気持ちよさそうな顔をして目をつぶっていた。

 

あはは…全然エッチな感じになりませんね…

 

おちんちんを両手で包み、ゆっくりと洗う。

 

いくらなんでも直接ここを触ったらおっきくなるでしょ?

 

若干意地になっていた。

私、ソープ嬢なんですけど。

ここで勃起させられなかったらかなりショックなんですけど。

 

そんなことを思い、祈る様な気持ちでおちんちんを刺激する。

 

ムク…

 

お?!

きた?!

 

ムクムク…

 

中島さんのおちんちんが微妙に反応した。

 

おしっ!!

きたっ!!

 

心の中で小さくガッツポーズ。

 

ん?

あれ…?

え?

 

このままおっきくなり続けるだろうと思われたおちんちんの動きが途中で止まった。

 

え?

あれ?

うそ?!

 

微妙に反応した中島さんのおちんちんはそのまま、つまり半勃ちの状態でキープされた。

 

私はしばらく意地になっておちんちんを触りつづけた。

半ば無意識で。

 

もっとおっきくなるよね?

なんで?

 

無意識に夢中になっている私に中島さんが「頭洗ってくれ」と声をかけた。

 

え?

なに?

 

中島さんの声にハッと気づき、顔をあげた。

 

「頭洗ってくれや。」

 

中島さんがつっけんどんにそう言った。

 

頭?

洗ってくれ?

 

私はお客さんにそんなことを言われたのが初めてだったので一瞬戸惑った。

「頭洗って帰るわー」と言いながら自分で頭を洗って行ったお客さんは何人かいたけど、私に「頭あらってくれや」と言った人は初めてだった。

 

「あ…はい。わかりました。じゃ、一回カラダの泡落としますね。」

 

私はシャワーを出して中島さんのカラダについた泡を綺麗に流した。

 

「えーと…頭、洗いまーす。えと…人の頭あんまり洗ったことないんで、強さとかいってくださいね。」

 

「うん。」

 

中島さんの背中側にまわり、泡立てたシャンプーでわしわしと頭を洗う。

 

「ここ、もうちょっとつよぉしてや。」

 

「はい。ここですか?これくらいでいいですか?」

 

「うん。あとここ。ここもう少しやってくれ。」

 

「はい。これでいいですか?」

 

「うん。気持ちええわ。」

 

「え?よかったです。」

 

中島さんは遠慮せず私にどんどん注文をした。

私は戸惑いながらも中島さんの注文に答えようと必死だった。

 

「流しますねー」

 

ひととおり洗い終え、丁寧に流す。

 

「ふぅ。さっぱりしたわぁ。」

 

「あー。よかったです。」

 

なんとか注文どおりできたようでよかった…

さ、次はお風呂に入ってもらって椅子洗いかなー。

椅子洗いでは勃起するよね?

あー酔っぱらってるからマットの方がいいのかなぁ…?

 

そんなことを考えている時、中島さんが「歯、みがいてくれや。」と言った。

 

は?

歯?

磨く?

私が?!

 

「え?なんですか?」

 

中島さんに聞き返した。

 

「歯ぁ磨いてくれや。」

 

両足をガバッと開き、膝の上にガシっと手をついて中島さんはそう言った。

 

「私が?中島さんの歯を?」

 

そんなことを言われたのも初めてだし、人の歯を磨くのも初めてだ。

 

「え?でもやったことないですし…強さとかもわからないですよ。痛めてしまったら嫌やし…。できませんよぉ。自分で磨いた方が気持ちいいんちゃいますか?」

 

私は戸惑ってそう答えた。

 

「ええから。磨いてくれや。」

 

中島さんは笑いながらもう一度私に言った。

 

「いやいやー。出来ませんって。怖いですもん!人の歯ぁ磨くなんて怖いですよぉ。」

 

中島さんの歯を磨くのが嫌とかではなくて、ほんとにちょっと怖かった。

歯茎を傷めたりしたら嫌だし、どうしたらいいかわからないし…

 

私は戸惑いながら「いやいや。無理ですってー。」と繰り返した。

 

「ええから。やってくれー。」

 

中島さんは駄々っ子のように私に言うと、とうとう「ん!」と口を前に突き出し始めた。

 

「えぇ~…もう…しょうがないなぁ…痛くしたらごめんなさいね。」

 

私は渋々歯ブラシを用意し、中島さんの歯を磨き始めた。

 

「大丈夫ですか?痛くないですか?」

 

「あ?あん。」

 

口を開けたまま中島さんが答える。

 

「ここは?この強さでいいですか?」

 

「あ?あん。らいじょうぶら。」

 

私は中島さんの顎を片手で軽く持ち、口の中を覗き込みながらおどおどと歯を磨いた。

 

「これでいいですか?」

 

「あん。」

 

シャワーを出し、中島さんの口の中にあてる。

 

「ふぅ。さっぱりしたわぁ。できたやんか。」

 

ニヤニヤしながら中島さんが私にそう言った。

 

「え?まぁ…はい。大丈夫でした?痛くなかったですか?」

 

「痛ないで。平気やったで。」

 

はぁ…

なんとか終わった。

 

うーんと…じゃあ次こそ椅子洗いかマットかな…?

 

「…トイレ行きたい…」

 

え?

トイレ?

 

「おしっこしたいわ。」

 

中島さんがそう言った。

 

「え?じゃあカラダ拭きましょ。タオル巻いていきましょ。」

 

私はいそいそと中島さんのカラダを拭いて腰にタオルを巻いた。

 

「ドア出て左手奥にトイレがありますから。行ってきてください!」

 

私はトイレの場所を説明してドアを開けようとした。

全裸でびちょびちょのまま。

 

「一緒に来てや。」

 

は?

今なんと?

 

「え?でも急がないと。もれちゃいますよ!」

 

なんとか一人で行かせようと中島さんを促す。

 

「一緒にきてや。場所わからんくなる。」

 

トイレに一緒に来てといわれたのも初めてだった。

 

「え?でも私まだびちょびちょだし…もれちゃいますって!」

 

「待ってるからはよしてやー。」

 

…言い出したら聞かない人だな…

 

「もー!ちょっと待っててください!」

 

いそいでカラダを拭いてタオルを巻いた。

 

「こっちです!」

 

慌ててトイレに案内する。

 

「待っててや。一人で帰らんといてや。」

 

中島さんはそう言うとゆっくりとしたペースでトイレに入った。

 

はぁ…

なんか疲れるなぁ…

 

「終わった。」

 

トイレから出てきた中島さんはぶっきらぼうにそう言うと「はよお風呂入ろう」と付け加えた。

 

 

ちょっと冷えてしまったカラダを温めるため2人で浴槽にカラダを沈めた。

 

「椅子洗いします?それともマットにします?」

 

今度こそこっちのペースでやらせてもらおう。

そして勃起させましょう。

 

そんなことを思いながら中島さんと浴槽で向かい合う姿勢で聞いてみた。

 

「ん?マットもその椅子のやつもええわ。上がってまた飲もうや。」

 

え?

えーーー?!

 

マットも椅子もいらないと言われて「やったー。楽だー!」と感じてもいいはずなのに、なぜかガクンと落ち込んでいた。

 

「え?やらなくていいんですか?マットも?!」

 

私は全裸でお風呂の中で向かい合いながらきょとんとした顔で中島さんにそう聞いた。

 

「おう。やらんでええわ。はよ上がろう。」

 

中島さんはそう言うとザバっとお風呂から上がった。

 

はぁぁぁ…

 

心の中で深い深いため息をついていた。

 

残り時間はあと40分。

 

さて。

どうするか。

 

 

つづく。

 

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121 - 私のコト~私のソープ嬢時代の赤裸々自叙伝~

 

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