私のコト~私のソープ嬢時代の赤裸々自叙伝~

私の自叙伝です。雄琴ソープ嬢だった過去をできるだけ赤裸々に書いてます。

京都の繁華街のとあるマクドに席をとり、求人フリーペーパーを開きながら

かなりの集中力で職を探しはじめた私。

 

最初から決まっていた。

どの職種を選ぶのか。

 

求人フリーペーパーも“それ”専用のものをチョイスした。

 

『水商売・風俗専門求人フリーペーパー。』

 

寮完備で日払いでしかも高額。

そうなるともうこれしかない。

 

そしてそんな条件だけの問題ではなく、私は最初からやってみたかった。

 

私は女性として魅力に欠ける女、いや、魅力が無い女だと思っていたし、美人でもなくスタイルが良いわけでもない。

そんな私が風俗という世界に入ったら、どんな結果が待っているのか知りたかった。

そんな私が通用するようになるにはどうしたらいいのかその世界に入って知りたかったのだ。

 

そしてもう一つの理由。

 

SEXを、性を、もっと知りたかった。

 

性を売り物にしているその世界。

そこはかとなく感じるどん底感。

淫靡な陰な雰囲気。

 

その世界に身を置いてみたい。

 

そんなことを感じていた。

 

 

寮完備の職種を見つけてはTEL。

最初は多分ヘルスだったと思う。

面接にわざわざ来てくれる方もいたり、こちらから出向いたり、TELの時点で断られたり…

結局何軒面接しただろう?

けっこうな数面接をして結局決まらず…

朝から動き回り、とうとう夕方。

焦る。

このまま決まらなかったらどうしよう。

明日もこうやって面接を繰り返すの?

で?

お金どうしよう…

そんな思いがどんどん膨らんできて、焦りは加速度を増す。

もう半ばやけくそ。

 

なんでもやってやろうって決めたじゃない!

焦ってる場合じゃない!

とりあえず動き続けよう!!

 

そう思った私は、とある場所に気を取り直してTELをした。

その求人の職種欄にはこう書いてあった。

 

『高級個室サウナ』

 

ん?

高級個室サウナ?

 

えーと…

 

あ!!

 

ソープランド』だ!!

 

最初はヘルスを狙っていた。

なんでもやってやろう!って決めたくせに『本番』は無しのところを考えてたのです。

 

*解説*

風俗職種を知らない方のために。

ピンサロ、ヘルス、はいわゆる『本番』といわれる「挿入行為」はございません。

がっつり本番あり、SEXをするのは『ソープランド』でございます。

もっと細かくあるんですが…ま、このへんで。

 

 

「今すぐ面接にきてください。もし採用にならなくても交通費とお礼は渡しますから。」

 

え?

お礼も?

行く行くーー!

て?

そこどこ?

 

滋賀県です。」

 

え?

滋賀県

 

「はい。京都からですと~…」

 電話の向こうのソフトな声の男性は優しく行き方を教えてくれた。

 

降り立った駅は『比叡山坂本駅』。

何もない古い建物の駅の入口を出ると、小さなターミナルになっていて、黒い車が何台かパラパラと停まっていた。

私が駅の入口でキョロキョロとしていると、黒い高そうな車から1人の男性が降り立ち、私の名前を呼んだ。

 

「ゆきえ…さん…ですか?」

 

白いシャツに黒いベストを着た、恰幅の良い男性が私の顔を覗き込むように声をかけた。

 

「あ…はい。」

 

ドキドキしながら返事をする。

 

「じゃ、店に行きましょう。」

 

その男性は車の後部座席のドアを開け、私を促した。

私は「はい。」と答え、素直に車に乗り込んだ。

走り出した車の窓から滋賀県ののどかな景色を見ながらこんなことを思っていた。

 

あぁ…ここで騙されたらこのまま戻って来れないかもしれないんだなぁ…

 

私のそんな心配とは裏腹に、お店での面接はとても親切で優しいものだった。

そして無事面接が終了し、私はハレて職と住む場所を確保できた。

 

「明日、すぐにホテルをチェックアウトしてその足でこちらにいらっしゃい。

全部用意しておいてあげるし、足りないものがあるなら買い物にも連れていくからね。」

 

お店の店長らしき男性からそう声をかけてもらえた時は膝から頽れそうになっていた。

これから私はソープランドで働くことが決まったというのに、ホッとして身体の力が抜けてしまったのだ。

ほんっとに嬉しかった。

ありがたかった。

ここでちゃんと恩返しができるように働こう!と思った。

 

ホテルまでの帰りの電車。

 

明日からやっていける場所ができたことへの歓び、これから起こる“体験”へのワクワクと不安、どんな場所なのか、どんな人たちに会えるのか、

“私”はその都度どんな反応をみせるのか…

 

いろんな想いが去来して、泣きながら身体が震えた。

 

怖さで震えたんじゃない。

 

『生きてる』という感覚をリアルに感じて震えてる感じだったのだ。

 

 

次の日。

 

約束通り、そうそうにホテルをチェックアウトして再び滋賀県へ。

 

その日から私は『ソープ嬢』として働き始めることになる。

 

さて、滋賀県雄琴ではどんな毎日が訪れるのか!

 

⑨ - 私のコト