私のコト~私のソープ嬢時代の赤裸々自叙伝~

私の自叙伝です。雄琴ソープ嬢だった過去をできるだけ赤裸々に書いてます。

コラム~有里ちゃんこぼれ話④~

いろんな方に「理奈さんはいまどうしているんですか?」と聞かれます。 なので今日は理奈さんのことについて。 理奈さんはほんとにすごい人でした。 本人はまるで自分をすごいなんて思ってないところがすごかった。 あんな人は他にいない。 自分でも言ってた…

コラム~有里ちゃんこぼれ話し③~

前回『富永さんとのその後』を書いてみたら「切ない~(/_;)」という声が多くて驚いています。 『援助交際』で富永さんとヤっちゃったことに引かれるかと思っていたから。 なんでそんな“今さら”感満載なことを思ってしまうのだろう。 有里ちゃんのお話しでこ…

コラム~有里ちゃんこぼれ話②~

有里ちゃんこぼれ話第二話です。 前回の『剃毛問題』よりこちらのお話しを待っている方の方が多いようでしたね。笑 今日のお話しは 『有里ちゃん専用電話を持った富永さんは結局有里ちゃんを抱けたのか?』 です! こちらは引き続き女優のMさんからの質問で…

コラム~有里ちゃんこぼれ話①~

みなさんこんにちは。 過去有里ちゃんだった(と思われる)ゆっきぃです。 これから何話かに渡って、連載の時に書けなかった話しや取りこぼしたエピソードを書いていきたいなぁと思っております。 面白いかどうかわかりませんが、「あー!これ書いておけばよ…

あとがき

最後までお読みくださったみなさま。 ほんとにほんとにありがとうございます!! こんなに長いお話を読んでくださったなんてとてもありがたいです。 いかがでしたでしょうか? この物語を読んで貴方は何を感じ、どんな時間を過ごしたのでしょうか? このお話…

206~最終話~

その日の夜。 コバくんは上機嫌で帰ってきた。 「ゆきえ。俺軽トラ借りよう思ってる。今度の部屋はここより狭いしゆきえの物だけになるやろ?そやからいらんもんは捨てて、俺のもんは持って帰るからそんなに荷物ないと思うんや。引っ越し屋さん頼むよりそっ…

205

翌日、私は待ち合わせの時間に遅れないように身支度を整え、初めて行く阪急塚口駅へ向かった。 比叡山坂本と違って人が多い。 そして街の『色』がカラフルに見えた。 「ゆきえー。こっちこっちー。」 駅前できょろきょろしているとコバくんが手を振り私を呼…

204

私はドキドキしながらコバくんに話し始めた。 ゆっくりと、言葉を選びながら。 「私な、こうやって今生きてるのが不思議なんよ。どっかで殺されるのを望んでたんや。やりきったらいなくなれるって思ってたから。もちろん怖かったで。殺されるのは怖かったん…

203

なんとか11時のチェックアウトを済ませ、酷い二日酔いの身体を引きずるように新幹線に乗った。 「…はぁ~…」 吐き気と頭痛。そしてひどい怠さが抜けない。 私はコバくんのこととこれからのことを、そのひどい状態で考えようとしていた。 どうしよう。 私は…

202

K氏と私はかなりのお酒を飲んだ。 レモンサワーから始まったこの店での宴は、そのうちに焼酎のロックに変わり、そして最後にはテキーラのショットをガンガン飲み合う時間に変わっていった。 「ゆきえ!もっとグイッといけよ!いけー!」 「はい!いきます!…

201

ぐちゃぐちゃになっていた顔をなんとか綺麗に直し(泣いた後だと一目でわかるような顔だけど)、戸惑っている気持ちをなんとか奥にしまいこむ。 壁に取り付けられている姿見に全身を映し、“自分”を整える。 「…はぁ!」 一つ大きく息を吐き、背筋を伸ばす。 …

200

「おまえなぁ…」 K氏は両手で私の頬を挟みながら怖い顔で私を見ている。 「は…はい…すいませぇん…」 私は涙と鼻水でぐちゃぐちゃになりながら謝罪を繰り返した。 殺るなら早く殺ってくれ! もう私に思い残すことはないし、このまま生きていたって辛いだけな…

199

「それでしたら…小切手になさってはいかがでしょう?」 男性は少し首をかしげながら私にそう言った。 小切手… 小切手か… 「あぁ…小切手ですかぁ…うーん…」 700万円の現金をドンッとK氏の前に差し出し、そして謝罪をする。 そんなイメージが私の中にずっと…

198

シャワーから出ると、私は下着と洋服を選んだ。 K氏に会うのはかなり久しぶりだ。 「綺麗になったな」と言わせたい自分がいる。 貴方の元にいたときより綺麗になったでしょ?と思わせたい自分がいる。 「いい女だ」とK氏に思ってもらいたいと切に感じている…

197

夕方になり、私はコバくんとの『お疲れさま会』の準備を始めた。 いつも通り平和堂まで買い物に行き、献立を考え、キッチンに立つ。 料理をしている時が一番平安かもしれない。 今までのことも明日のこともこれからのことも考えずにいられるから。 料理をし…

196

泣きながらタクシーを降り、涙を拭いながら部屋に入る。 「…ただいまぁ…」 コバくんがまだ寝ていると思って小さな声でドアを開けた。 シーン… 静まり返っている早朝のキッチン。 空気が動いていないリビング。 コバくんはまだ寝室で寝ているみたいだ。 まだ…

195

ふく田の店長さんに何度もありがとうを伝え、店を後にした。 「有里ちゃん。辞めても店に来てな。待ってるから。応援してるからね。」 何度もそう言う店長さんに「うん。うん。また来るから。」と言った。 生きてたらまた来るね。と心の中で思いながら。 二…

194

送別会の場所は私の大好きな『ふく田』だ。 富永さんが今日の為に、広い綺麗な個室を予約したと言っていた。 「有里ちゃーん!いらっしゃーい!あー相変わらず観音様みたいやなぁー。」 店長さんが優しい優しい笑顔で私を迎えてくれる。 相変わらずのセリフ…

193

「お疲れさまでしたー!お掃除ごめんなさい!」 控室に挨拶をしながら入るとみんなが一斉にこっちを見た。 そしてにこにこ笑いながら「有里ちゃーん!お疲れさまー!」と言ってくれた。 「とうとう終わってしまったなぁー。」 「明日からも来てええんやで。…

192

「有里みたいにこうやってきちんと辞めていく子ぉは初めてや。」 富永さんが私をチラッと見ながらしみじみ言う。 「そうなんや。へぇ…。そうなんやなぁ。」 みんなどうやって辞めていくんだろう。 急にいなくなってしまう子ばかりなのかな。 もしそうなら、…

191

最終日の2人目のお客さんをお見送りした後、しばらくして富永さんが私を呼んだ。 「有里。ちょっと来てくれ。」 「え?なに?どうしたん?」 富永さんは私をお客さんの上がり部屋の前に連れて行き、こう言った。 「あの人が来てるんじゃ。あの…理奈のお客さ…

190

仕事を辞めるまでの数日間、毎日お客さんが花やプレゼントを持って店に来てくれた。 その中の1人のお客さんはティファニーのブレスレットを私に渡しながら「ほんとは指輪を送りたかったんだけど…きっと有里ちゃんはそんなことをしたら引くと思ってこれにした…

189

疲れた身体と心を引き締めて仕事に向かう。 あと何回この道を通るんだろう?と思いながら。 タクシーの窓から外を眺めると、見慣れた寂びれた道が続き、そしてその先にうっすらと琵琶湖が見える。 琵琶湖がすぐそばにあるのがいつの間にか当たり前になってい…

188

2人とも無言のまま夜を過ごした。 私はベッドで眠り、コバくんはソファーで寝た。 その“ソファーで寝る”という選択をしたコバくんにちょっとだけ腹が立っていた。 朝が来て、隣の部屋でコバくんが起きた気配がする。 しばらくの間私は布団の中でどうしよう…

187

私はコバくんにK氏とのやりとりの内容を話した。 K氏はずっと私の居場所を知っていたこと。 お店の場所までわかっていたこと。 私からの連絡をずっと待っていたこと。 綾子さんがしばらく私を探し続けていてくれたこと。 そして「戻ってこい」と何度も言われ…

186

「…おっまえ…」 K氏の大きな声。 私はその声で身体がますます強張った。 そりゃそうだ。 怒るに決まってる。 急に逃げ出したんだから。 私が提案した企画で新しい部署を作り、結構な経費をかけ、私にも結構なお金をかけて育てようとしてくれていたんだから。…

185

思った通り映画を観てもまったく入り込めない。 ずっと今夜のことや、どうやって殺されるんだろうか?ばかり考えていた。 食欲もなく、映画が終わってからコーヒーを飲み、もってきた本を開く。 文字を追っているだけで内容がまったくわからない。 たくさん…

184

3月。 今月で終わる。 富永さんは「淋しいのぉ。ほんとに辞めるんかのぉ。」とよく口にするようになった。 富永さんが上田さんにも今月いっぱいで辞めることを言ったようで、「アリンコ。なんで辞めるんや?ほんまに辞めるんか?」と聞いてくるようになった…

183

2月が飛ぶように過ぎた。 ちょっとだけ心配していた身体のことも拍子抜けするくらいなんともなく、私は仕事をこなした。 長い休みをとったにもかかわらず、指名数もなんとかこなして部屋持ちのままでいられた。 あれからおばあちゃん先生のところには診察に…

182

夕飯を完璧に用意し、部屋を綺麗にし、お風呂を沸かしてコバくんを迎え入れた。 思った通りコバくんは大喜びで今にも泣きだしそうな顔をしていた。 「ゆきえ…俺、ほんまゆきえに会いたかってんで。帰ってきてもええって言うてくれてありがとう。」 コバくん…